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アレルギーはかなり微量でも発生しうる。過去に、アレルゲンを摂取した相手とのキスで死亡した例もあったはずだ。
「彼氏がそれに気づいたのか、はたまた彼女が食べないでと言ったのかは分かりません。もしかしたら、彼女は遠慮せずに食べてなんて言ったのかも知れない。でも、彼氏はポップコーンを食べなかった。理由はもう、分かりますよね。」
本当に正しいのか。確かめる方法はない。けれども、はっきりしているのは毒を入れる以外の方法で、このポップコーンの謎を証明できたと言うことだ。
「それなら、毒はないって事で」
私はポップコーンを一つ手に取り、口に含む。すっかり冷めてしまったポップコーンから、ほんのりした塩気とバターの香りが口の中に広がる。不思議と顔がほころんで思わず「美味しいですね」とつぶやいた。
「一人じゃ食べ切れません、先輩もどうぞ」と私が言うと、先輩もポップコーンをつまみ、口に入れる。
「しけてらあ」と先輩は笑いながらつぶやいた。
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