屑と朝焼け

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「女の子、とっかえひっかえしてさ。何考えてんの?お前。」 おかしいな、いつも目が覚めると女の子が俺の目の前にいるのに。 昨日、ベッドで愛し合った柔らかい身体の女の子。 ちょっと触ると、過敏なのか甘ったるい声を上げて。 愛してる愛してると何度も言っていた彼女。 ――――――なんで愛してるっていってくれないの? ああ、これは誰に言われた言葉だっけ。 動かない頭で俺は思う。 ――――――そんなの決まっている。 君のこと、愛してないからだよ。 そんなこと言ったら逆上して殴られるだろうから言わないけど。 「女の子って柔らかいだろ。」 「抱き枕かよ。」 どうやら俺はこの声の主に膝枕されているようだ。 ごつごつした男の膝の上で俺は寝ころんでいた。 その膝の上はとても居心地がよかった。 今まで抱いた女の子よりも、断然。 顔を横に向け膝に顔を摺り寄せる。 ジーパンの、少し湿った汗臭い匂い。 それがたまらなくてなんどもかぐ。 もっと近く、布越しではなく 直接こいつの肌の匂いをかいでみたい。 ぼんやりとそんな不埒なことを考えていたら 突然声の主は嫌がって俺の顔を押し返した。
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