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幼稚園バスを乗り換える石神井公園駅のロータリーに、やはり、たまに寄るレストランがありました。私の記憶では不二家レストランだったような気がします。ケーキケースの脇に飾ってあったキャンディーのネックレスやチョコレートの花束。母がたまに気まぐれに買ってくれるのですが、一度、お菓子の宝箱を買ってもらったことがありました。20センチくらいのブリキ製で海賊船に積んであるようなデザイン。かまぼこ状に膨らんだ蓋には南京錠がかかっていて、開けるための小さい鍵もぶら下がっています。錠を解いて開けると!中に色とりどりのアルミやセロファンに包まれたキャンディー、キラキラするチョコレートの金貨が。全部食べてしまった後、ブリキの宝箱を「大切な物入れ」に使ってずいぶん大きくなるまで持っていました。
小学校に上がってからよく寄ったのは高円寺駅前の「トリアノン」。駅前ロータリーに面した大きなケーキ屋さんで、店内にティ-ルームもあり、マリーアントワネットの別邸だった「トリアノン」の名の通り、エレガントなアイボリーとブルーのインテリアでした。私はレモンティーとイチゴのショートケーキがお気に入りでした。「トリアノン」でおやつを食べたら、その後、高円寺商店街にあった輸入食品店で買い物します。スイスのチョコレートやコーラのグミ、デンマークのクリームチーズが気に入りでした。クリームチーズは5センチ四方のアルミの平たいパックに入っていて、オレンジの果汁が入ったものやチョコレート風味もあり、パンに塗ってもそのままでも食べられます。我が家は牛乳を飲む習慣がなく、果物や甘酸っぱいものが好きだった私に、母は「カルシウムが摂れるから」とオレンジ味のクリームチーズをよく買ってくれました。チーズケーキが日本でポピュラーになる前なので、お菓子のようなチーズはとても珍しかったのです。
ブリキの宝箱に入っていた当時の私の宝物↓
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