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「おーい。眠るなよー」
寝惚けまなこのわたしの頭を。
数学の先生がポンッと。
教科書で軽く叩いた。
「暴力はんた~い」
ボサッとしているわたしの代わりに。
隣の席の子が抗議した。笑い顔で。
「文句があるなら放課後、職員室に来い」
先生も笑顔で返してくる。
「え~。じゃあ私、行こっかな」
「あたしも行くーっ」
教室内で、わらわらと手が挙がる。
「おまえらなあ。あんまり騒ぐと、明日、小テストするぞ」
「今度はパワハラだ~」
どっと歓声が上がる。
先生は人気者だ。
先生になって八カ月目の二十代教師。
背が高くて、顔は普通。
カッコよすぎないところがお手軽感がある。
そこが女子受けする理由だ。
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