伝説の盗賊

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現代に来てしまった妖狐。 一体どうなってしまうのか? 「ママ見てー、この人の格好とってもおかしいよぉー」 「こら見ちゃダメよ」 「ホームレスかな?」 「ホームレスにしちゃ、キレイな顔してるな。男だとは思うが女みてーにキレイだな」 たくさんの声がして言葉何か騒がしいな。 オレが見た世界は……。 見たことの無い格好をした、人間たちがオレの事を見下ろしていた。 は?オレは?どこに? 「ママー、この人、死んで無かったよ」 一人の子供がオレを指差して笑っていた。 あ? 何だ、こいつ? 「おい、ガキ、食っちまうぞ」 ギッと睨みつけ、威嚇してみせた。 しかし、 「へんなの」 オレを囲ってる全ての人間たちに大笑いされた。 おい、オレはそれなりに名を馳せてきた盗賊妖狐だぞ。 いつの間に雨止んだんだ? と言うか、体が重い。 あー、怪我してたからか? かなりひどい傷を負わされたからな……。 ん? オレ、どこにも怪我してない。 ガバっと立ち上がり、体の隅々までくまなく見てみる。 尻尾が無い! 慌てて頭に触れると、耳も無い。 二足歩行でいる時も、尻尾と耳が消えることは無かったのに。 「おい、ガキ、ここはどこだ?」 「大丈夫?ここはトーキョーだよ」 トーキョー?     
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