終わりの更新.1

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「地球に隕石が落下し人類の減少が起こる」 こんな話が出た当時、まさかそれが世界各地で起こるなんて誰が予想しただろうか。 何か解決策はないかとか、クレーターを名物にしようなんて目論んでいた商売っ気のある人達もその被害の大きさや自分や自分の身の周りに被害が出始めると自分の身を守るので精いっぱいになっていき面白おかしく取り上げる所も少なくなっていった。 地球滅亡の前触れに過ぎないと言っていたコメンテーターはまだ生きているだろうか。 そして数か月前にテレビによって国から出されたある言葉がきっかけになった。 「○月○日、地球に巨大隕石が衝突します。」 事実上の終末である。 現実味の無い話とはまさにこのことだと僕は思った。しかし最近まで起きていた隕石の落下がその言葉に拍車をかけたのだろうと思う。 この言葉がきっかけで少なくとも日本は荒れに荒れただろう。 テレビはどこも同じ話ばかりだし、どうせ死ぬならと狂いに狂った人は出るしで外も出られない。 一番増えたのは一家心中じゃないだろうか。ネットニュースでも頻繁にみたしこの地球がまだ生き続けるならこの出来事は絶対に歴史の教科書に載るだろうなぁ。 そして僕のような最後だからとはしゃぐ事が出来ない人達は決まってインターネットや本とかで室内での暇つぶしを謳歌していた。 生産者と消費者がいて社会は成り立つと言うのに会社に出ない人も増えたし、おかげであちこちのスーパーを初めとする店は閉店していった。 だから、というわけではないと思いたいが、市から決められたバランス栄養食を支給される。 戦争時代かと疑いたくなったが、そんな事を学生である僕が市役所でも国のお偉いさんにも聞いたところで苦い顔をされるのは分かっているし、こんな状態になっても職務を全うする人を僕は尊敬したい。 過去に尊敬する人は誰かと聞かれて世界的に有名なスポーツ選手の名前を挙げたが、今は職務を全うする社会人に変更だ。
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