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こわれもの(全)
○ 登場人物
山中千香 17 … 家出中の女子高生
柴田 亨 42 …
柴田重臣 77 … 亨の父
柴田範子 72 … 亨の母
三村 45 … ケアマネージャー
斉藤 22 … ホームヘルパー
○ 夏の夜の街
自動販売機のつり銭を探っている中川千香(17)。
何人かの若い男に声をかけられるが、巧みに振り切って逃げる。
ふと見ると、柴田亨(42)が歩いている。
亨、酔ってはいるが、手にしたビールの缶をきちんとコンビニの前の分別に従って捨てる。
千香「(それを見て軽く)おじさん、泊めてくれない?」
亨「(じろっと見て)いいとも」
と、ついてこいという身振りをする。
いやに簡単に答えたので、ちょっと警戒しながらついていく千香。
× ×
いくつかホテルの類の前に通りかかるが、亨は無視して通り過ぎる。
やがて、盛り場を離れて、
○ 住宅街
に入る。
なお、歩いていく亨。
○ と、ある一戸建て住宅(柴田家)
の前に来る。
亨「ここだ」
千香、警戒して、外で立っている。
亨、どんどん入っていく。
千香、なおも警戒しているが近づいて戸口のそばまで来る。
と、中からどどど、という床を踏み鳴らすような音がする。
亨の声「いるのか?」
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