15人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうしてあんたが……!」
絶句した。犬も三条も。犬は三条がここにいることが信じられないようで、三条は犬が口をきいたことで。
「くそ……なんてこった……」
犬のその声に聞き覚えがあった。
「優元さん……?」
犬に変わってしまった? じゃあ、わたしも? と、体を確認するが、人間のままでホッとする。
「ここはいったい、どこなんです?」
「ここは──」
言いかけて、犬の姿の優元はいいよどむ。
「説明してもわからないだろう」
「わからないからって……。優元さん、ここはこの世なんですか?」
「まぁ、ひとことで言えば、異世界ですよ。そして、私は異世界人、ということになりますかな。しかし探偵に尾行られていたとは……しくじったよ。しかもこの世界に入ってくるなんて」
最初のコメントを投稿しよう!