15人が本棚に入れています
本棚に追加
「この世界では犬だったんですね」
自分でもなんて間抜けなセリフだと思ってしまう。
「そういうふうに見えるだろうね」
「ここでなにをなさってるんですか?」
「防衛だよ。しかしあんたに露見してしまった以上、もう意味はないな」
「わたしはだれにも話しませんよ」
「そうでしょうけど、先野さんでしたっけ、あの探偵が見つけてしまう。すると、ミヤコが嗅ぎつけてくる可能性がある。あいつがここへ侵入するのを防がなくてはならない」
「どうも切迫した事情があるようですね……。わかりました。その邪魔はいたしません。ただ、教えてほしいことがあるんです」
「それは探偵としての調査かな?」
「いえ、個人的な興味です。優元さんが異世界人だとすると、窓村良松さんの実の子ではないんですか?」
「ぼくの話を理解し、信じてもらえると?」
最初のコメントを投稿しよう!