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「ミヤコって、あの女の子のことね……」
「そう。彼女はこの世界を狙っています。この世界でネコの姿でずっといられると、エネルギーが足りなくなってぼくらが生存できなくなる。それは困るんです」
「ネコ……」
三条は思い出した。数日前に探し出した迷いネコ。
ミヤコが異世界への入り口である場所を知るために先野に近づいた……。まだ土地の調査をする前であったのに、もしそうだとするなら、恐るべき直感──というより、それはもうレベルの違う能力だ。
「だから急いで対策をしなくてはならないんです。先野さんがここを見つけてしまう前に」
「でも、異世界に入る方法まではわからないですよね?」
「ミヤコはカンが鋭いから、わかってしまう。というか、すでに知っている可能性もある」
「…………」
ミヤコならありそうな気がした。
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