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二人してクルマを降り、通用口から校庭に入った。
そしてそこに、三条愛美と、意外にも窓村良松の三男、優元を見つける。
どうやら、すでになにもかもが解明されている様子である。いつの間にか出し抜かれた形になっているのを感じて、先野は動揺する。
二人のもとに駆け寄った。
「見つけましたよ、土地の場所を」
優元に向かって告げた。
「そのようですね」
「存在しない、といってましたけど、どうしてそんなことを? こんなど田舎の共同所有地に資産価値なんかないっていうのに。これじゃお兄様も横取りしようなんて考えないでしょう。それとも、そんなことは知らなかったなんて、白々しいことをおっしゃるつもりじゃないでしょう?」
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