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ぐるぐる訳のわからない状態の頭のまま、堀越がとりあえずなんとか会計の手続きを済ませると、イケメンは買ったばかりのそのチョコレートを堀越の手に握らせた。
「とりあえず、こんな安いお礼で申し訳ないけれど、夜中の仕事は小腹が空くだろうから」
「えっ、いや、あの、そんな、困りま……」
慌てて突き返そうとする堀越をさらりとかわして、完璧なイケメンは超絶完璧な笑顔で自動ドアをすり抜けて、夜の闇にあっという間に消えて行ってしまう。
「また買い物に寄らせて貰うよ、ありがとう堀越君」
「何、今の……え?」
呆然と立ち竦む堀越の手の中には、今の出来事が夢ではなかったと主張するかのように、箱に入ったチョコレートが残っていた。
「つか、俺……告白されるなら、美少女がよかっ…た……」
堀越の呟きは誰の耳にも届かないまま、ひっそりとコンビニの空調の音の中に吸い込まれて消えていく。
「好いた惚れたの事件だけど…こんなの希望してないって…」
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