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「っ王様、突然喋掛けてくんな。というか自分の世界から戻って来たんですね」
花火は召喚者を見て一人でぶつぶつと呟いていれば、その独り言に後ろから返事
が返ってきてビクッと肩を揺らす。そして声のした方を見て軽く睨んだ
「すまない驚かす気はなかったんだ許してくれ」
王様は花火の態度に気にした様子もなく苦笑気味笑って言葉を返した。花火は
そんな王様をしばらく見つめて溜息をはいた
「それで召喚者の方が力が強いってどういう事だ? 満月はオレ達よりは能力値は
劣っているが、悪魔落ち一歩手前の魂に負けるような奴じゃない」
「満月の実力は俺も知っている。だが満月の力がコレに負けたのも事実だ」
王様は首に赤い輪が付けられ、先ほどの満月の大量出血事件でその身が血で
汚れた座り込む子供を見下ろした。
「一体コレに何の力が……」
「まぁそんな殺気立つな。お前の仲の良い友人が傷付けられたのは許せない
だろうがな」
「……オレ、満月の様子見てきます。残りは任せます」
花火は王様の話の途中に立ち上がり、返事を聞かずにその場から去っていく。
そんな様子を見た王様は、笑みを零して押し付けられた仕事を嫌な顔せずし始めた
「手の出血が止まらない」
召喚の間から傷の手当をする為に治療室に移動した満月は自分以外居ない
空間の中、負傷した手を見ながら一人呟く。
傷を負った手は皮膚が裂けた所から血が止まらず、治療室には新しい赤い染み
が所々に落ちていた。
「……まぁ適当に処置して包帯でも巻いとけばいいか」
--傷は痛むが手の動きには問題ない。後は自然治癒に任せよう
そんな事を思いながら治療室にある大きな棚から消毒液と小さな棚から
ガーゼと包帯などを取り出す。
「必要な物はこのぐらいかな」
満月は部屋に備付けられている白いベッドの一つに座り込む。そして傷の治療
する道具を隣に置いて、簡単な治療を慣れた手つきで行う。
「よし、終わり」
簡単な処置を終わらせた満月は包帯で巻かれた自分の手を軽く動かして、動き
方に問題ないかしばらく確かめる。
トンッ トンッ
そんな満月の居る治療室の閉じられた扉から軽い音が響き渡った。
「どうぞ」
「……満月、傷は大丈夫か?」
扉を叩いていた正体は、満月の声に反応して扉を開けて姿を現す。
「え、うん大丈夫。それより花火、仕事はどうしたの?」
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