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そして目があった彼は、嗤っていた。
「はいどうもありがとう。これでやっと姉さんの手がかりがつかめる。」
さっきの彼からは想像もつかないほど禍々しいオーラをまとっていた。
「さあ、これでペンダントも手に入ったことだし、一緒にユール皇国に帰りますかね」
口調は軽いのに、なぜかとてもこわかった。
いつのまにか雨はもっと強くなっていて、風まで吹いてきた。
「大丈夫そんなに怖がらないで。別に危害を加えるつもりはないよ。」
言葉とは裏腹に、手に握られている、光のナイフ。
焦る気持ちを抑えて一回深呼吸をしてから、覚悟を決めて鉱石でできた剣を創成して距離を詰める。
そして勢いに任せてナイフを叩きおとす。そしてその剣でくびをねらったとき、ポンッと軽い音がして目の前から彼が消える。
「アリア様?しばらくのうちに、腕が鈍りました?」
耳元で囁やく声。と同時に首元に光のナイフが当てられる。
「動かないでくださいね?今封印魔法をかけますから」
そういうが早いか、ちょうどりんごくらいの大きさの黄色い光の玉が現れる。
そしてそれは私の胸に吸い込まれるように消えた。
それと同時に体の力が抜け、立って歩くのが精一杯な状態になる。
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