Q.もしも暗殺者が家に来たら?

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ザーッという音に目が覚めると、外には雨が降っていた。 アリアが一つあくびをすると、部屋のドアがノックされる。 「アリア様、お食事の準備が整いました」 この時間になると彼女が呼びに来て、そしていつもと変わらない日常が始まる。 ぼんやりと考えていると、再びドアがノックされる。 不審に思った彼女が、様子を見に来たらしい。 「アリア様?大丈夫ですか?ドアを開けますね?」 彼女の慌てたものの言い方に私は呆れて笑いながら言う。 「今行くって。心配しなくても私は平気。」 彼女は扉の前でしばらくためらった後、静かに戻っていった。 ベッドの上で大きく伸びをして、スリッパを履く。そして机に手を伸ばして、寝る時以外は常に持ち歩いている綺麗なペンダントをつける。 それから部屋の外に出ると、パンの焼けるいい匂いが漂ってくる。 その匂いに目を細めながらゆっくりと3階から2階へと階段を降りていると、玄関でドアベルが鳴る音がした。せめて邪魔をしないように、出来るだけ静かに2階のダイニングルームへと行く。すると、階下から男と女の言い争ってる声が聞こえた。 声の主はどうやら彼女と訪ねてきた来訪者の声らしい。盗み聞きは彼女に怒られるが、気になるものは気になる。部屋のドアを開けて、こっそりと聞こうとしたが、その必要はなかった。
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