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「そこで私、自分はやっぱりまだあの国に縛られてること気がついちゃったの。追放されたはずだから、もう皇族じゃないからって。過去は過去なんだけど、それでもやっぱり捨てられないんだね。」
半ば自虐的につぶやく。
「そこで、ひとりの男の人に助けてもらったんだけど、その人に、皇族の人かって聞かれたとき、はっきりと答えられなかった。」
声が震える。
「自分はどう頑張ってもこの呪われた血から逃れられないって気がついちゃったんだ」
そこまで言った時、不意に目の前が揺れる。
「姫様は姫様です。だれがなんと言おうが、ユール皇国第一皇女のアリア様です。」
優しく諭すような声。
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