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「ええっ、ご飯食べたばっかりだし嫌だよ!それに時間ももう遅いし、お隣さんも迷惑なんじゃないの!?」
カーテンで遮られ、窓から外を窺い知ることはできないけれど、正直見なくてもわかる。
どう考えても外は真っ暗だ。お宅訪問には遅い時間だと思う。
しかし、母親はどうしても今行ってほしいようで、なおも食い下がってくる。
「お隣の奥さんなら大丈夫よ!仕事が終わったら伺います、って言ってあるし、このくらい許容範囲だと思うの」
「いやいや、それお母さんの持論じゃんか!」
「だーいじょうぶだって!ちょっと書類を受け取ってくるだけだから!……ほらっ、行った行った!向こうはお母さんの名前出せばわかるはずだから!」
「えー……」
ほらほら、と急かされ、私は仕方なく席を立った。
そこまで言うなら自分で行けばいいじゃない、なんてことは敢えて言わない。
どうせ部屋に戻ってもオンラインゲームに興じるだけだし、きっとその用事は今日中でなければならない何かがあるのだろう。できるだけ好意的に解釈しておく。内容はよくわからないままだけど、行けばきっとなんとかなるはずだ。
私は携帯電話をジーンズのポケットに押し込み、玄関へと進んでいく。
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