羌の牧場。

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羌の牧場。

ここは、どこ? 透明な筒? あたしは、訳もわからずアッチむいたりこっち向いたり、たまらず右往左往する。 コンコン。 …たぶん音と手触りからして、なにかしらの樹脂製のパイプのなかに起きたら放り込まれた? なんで?どうして? と、叫んでみたけど、誰も応えてはくれない。 「どこなのここ??」  あたしは落ち着いて、とりあえず落ち着くことにして息を整え、あんまり整えないけど…、落ち着きを取り戻すように努力して、辺りをゆっくり見回してみる。 パイプでいっぱいの世界? パイプは真っ直ぐ伸びているのかと思うと、別にそうでもなく、あちらこちらに樹木みたいに枝分かれしていて、そこはまるでパイプとなにかの装置の、うん、そうね。まるでそう、森林に絡んだツタの密林っぽく、なにか一種の迷路みたいになっているのだ。 「それに、とっても(まぶ)しい」 照明は天井に並んだ蛍光灯だけじゃなくて、どこから光が当てられているのか、よくわからないけど、たしかにどこからか陽の光とはちがう光線が照射されていて、ひどく明るい。 透明なパイプがところどころ、光を反射して虹色に輝いてる。 うん、そうね。輝くだけなら構わないのよ。 でもね。 これってないと思うのよ。     
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