羌の牧場。

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ガコン! ゴロロロロ……。。 あたしの背後で不気味な、そう不気味な落下音と、重々しく固いナニかが転がって来る音が聞こえた。 「こんな光景見たことある。あれは確か、テレビで……」 ガコン!ゴロロロロ……。。 筒の壁に当たり弾かれても〝それは〟転がるのをやめない。 しかも困ったことにパイプの中は少し下り坂になっていて、物体はあたしに向かって徐々に速度を上げているのが、怖い。 無言であたしは考える。 あんな、あんな、黒くて重そうな球体に潰されたりしたくない!と。 ダッ!ダダダダダダダダ!! あたしは脇目もふらず走り出す。 透明なパイプにあたる光が振動で揺らめく位に、力いっぱい足を踏み鳴らして、あたしは駆ける。 そう、ひたすら飛ぶように駆けるしかない。 球体はすぐ真後ろに迫っている。 逃げきれない! と、思った瞬間。左手に窪みっぽい凹みが見えた。 迷わず飛び込んだ。 ゴロロロロ……。 「た、助かった…」 目前を通り過ぎた黒い球体は、ガコン!と云う響きを残して下に向かって伸びていくパイプに吸い込まれていった。 「で、出口。出口探さなきゃ!」  いまさら。かな?  はあ、はあ、はあ…。。     
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