羌の牧場。

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 上がる息を調えながらあたしは、辺りを見回し脱出ルートがないか思考を巡らせる。 「とりあえず下に行くのは危ないから、上を目指そう!」  そう決めたあたしは、上に向かっていて、しかも先が続いてそうなパイプを探す。  そして見つけた。 「よ、よし行こう!」  あたしはまず、隠れた窪みの背後、少しだけ隙間の空いたところに足を入れ少し持ち上げた後、蓋みたいにかぶさっていたドア?を頭で押し上げ中に入る。 「よし!いけた!」  あたしは思わず笑顔になる。  もしかしたらこれで、この変な空間から脱出できるかもしれないからだ。 「よし!次はあの梯子(はしご)登ってみよう!」  天まで伸びてんの?的にパイプに降りている梯子に眼を止める。  うん。これなら上からでっかい球体が墜ちて来ることは無いだろう。  早速上ることにした。  うんしょ。うんしょ。  ずっと真っすぐ梯子を上る。そしてちょっとだけ顔を出す。  コロロロ…。  ほらやっぱり。  まるで狙ったように銀色の玉が転がって来た。うっかり不用心に頭を出したら、絶対アレに潰されるか当たって大怪我してた。  頭上を通過していった玉を見送りながらあたしは、自分の咄嗟の判断に感謝していた。  じゃあ、それじゃ、上のパイプの中を拝ませて貰いますか。 「うんしょっと、うは!」     
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