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狂人志願
これは僕が中学三年生のころの話です。
当時、僕が通っていた中学校では、どこの学校でもそうであるように、生徒たちがそれぞれグループを形成していました。
たとえば、スポーツの得意な生徒はスポーツの得意な生徒同士で集まり、勉強の得意な生徒は勉強の得意な生徒同士で集まり……といった具合です。そして、それぞれのグループ同士はほとんど没交渉で、みんな何をするにも仲間同士でつるむばかりでした。昼食も、授業の班分けも、トイレに行くときでさえも。まるで、クラスの中にいくつもの小さな村が存在するかのように。
ですが、そんな集団に入れないあぶれ者は必ず何人かいるものです。勉強が得意というわけでもない、スポーツが得意というわけでもない。音楽や絵が上手でもない。かといって、不良というほどはみ出し者でもない。どうにも分類に困る、中途半端な存在です。
そして、そういった生徒たちは仕方なしに余り物同士で寄り集まります。ただ『取り立てて長所がない』『特徴が無い』というひどくおぼろげな共通点だけを頼りにして。
僕もそんな余り物の一人でした。小学校の頃から部活にも委員会にも入ることはせず、かといって勉強にもさほど身を入れていない、どこにでもいるつまらない少年です。
そんな有様でしたからどんなグループからもあぶれるのは、当然のことでした。
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