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「夏越……親にバレたかもしれん…どうしよう、どうしよう」
あの日の帰り、玄関先で別れ惜しくなって抱きしめたところを母親の友達が見たらしく家に帰るなり問い詰められた。
「大丈夫だよ、ゆうくん。ちゃんと話せばわかってくれるよ」
俺と違って夏越は落ち着いていた。しかも安心させようと優しく抱き締めてくれる。
俺と夏越の立場は逆転していた。
「そう、だよな……今少しずつ同性カップルが認められてるもんな。きっと俺らも認められる」
半分は遊び、半分は本気だった。追い詰められて俺は夏越のことを好きだと自覚する。夏越と離れる生活は考えられなかった。
「そうだよ僕らの関係もきっと認められるから、ゆうくんは安心していいんだよ」
夏越は優しく手を握った。
「そう、だよな……」
そう、大丈夫なんだ。何も心配なんかしなくてもいい。人を殺したり、何かを盗んだわけじゃない。悪いことなんて何一つしていないのだから。
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