脅迫という名のプロポーズ

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「いやでも親の承認がいるでしょ? 俺達……まだ未成年なんだし」  いくら同性婚が決まったっていっても親の承認がなければ認められなかったはず。それなのに夏越は動揺する素振りを見せず、にっこりと笑った。 「あぁ~ゆうくんは、そんな事を心配していたの? 大丈夫だよ! ほら見てごらん」  差し出された婚姻届を見て驚いた。そこには無いはずの親の名前があったから。 「後は、ゆうくんの名前を書けば完璧!」  未だに状況が飲み込めない俺の腕に絡みつき、ほらほら早く行こうよ~っと腕を引っ張られる。夏越の勢いでふらふらと歩いたけど、このまま流されたくなくて立ち止まる。 「俺、まだ結婚とか、早いと思う」  色々と急展開すぎて頭が回らない。それでも夏越と結婚だなんてどうしても想像が出来なかった。けど、この選択肢は間違えてしまったらしい。
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