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『///宗太が好きです。私と付き合ってください!』
同じ高校に合格して、一大決心をして幼馴染の宗太に告白した。
答えはイエス。
宗太もいつの頃からか、私を意識してくれていたらしい。
宗太とは私が5歳の時に引っ越してきて以来の幼馴染だ。
家が隣りというのが漫画にありがちな幼馴染だが、私と宗太は道を挟んで斜め前という微妙な距離の幼馴染である。
宗太には1つ下の弟、私には2つ下の妹。そんな4人でよく一緒に遊んだ。親同士もそんな私達につられて仲良しになったのはいうまでもない。
宗太たちは大阪出身で、全員が笑い好き。事あるごとに、ボケ突っ込みをして私達家族を笑わせていた。
そんな宗太たち家族は、こっちに来てから外では標準語、家の中では関西弁と使い分けてた。ただマクドナルドをマクドというように、物の呼び名だけは関西限定を使っていた。後で聞けば、本人たちはそれが関西限定と分かっていなかったようだ。
そして、お年頃になるにつれ私達は一緒に遊ぶ事が無くなった。
両家の母親は、「今は年頃だから、仕方ないわねぇ~」「まっ、そのうち元のように戻るでしょ」と呑気に井戸端会議であったのを覚えている。
だが母親たちの言葉を覆すように、私は元に戻るどころか、かけ離れた所にいた。
大きな手。
高くなった身長。
広い肩幅。胸の筋肉。
声変わり。
捲りあげたカッターシャツから見える引き締まった腕。
宗太を男として、意識しだしたからだ。
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