1.それは、10年前のことだった・・・

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小さい時は、こんなドキドキは感じられなかった。そういう違いが無かったからだろう。手の大きさも昔は同じだったし、背もそんなに違いはなかった。胸もぺったんこ。 いつの頃からか、その違いが私の心拍数を上げだした。 他の女子も私同様に、心拍数を上げていたようで、その心拍数を下げる為に告白なる行動をとっていた。 しかし、宗太はそれを全て断る。その断り方が・・・ 「好きな子がいるから─────。」 その言葉は私を不安にさせた。 いつかその好きな子から告白が来て、宗太は付き合うかもしれない。そう思うと、心臓が苦しくなった・・・。 こんな気持ちとおさらばする為、告白を決意し冒頭に戻るというわけだ。 何の事はない、宗太の好きな子とは私だった。 宗太が私に告白するのを躊躇していたのは、ご近所さんだった事だという。 断わられた時、顔を合わせづらいというのが理由らしい。 そんな事を考えもしなかった私は、バカだとその時初めて気づく。 だが、そのバカな行動で私達は付き合う事になったのだから、結果オーライである。 お互い脳内でしていたシュミレーション通りに、距離を段階に沿って縮めていく。それはまず手を繋ぐことから始まった。 始めて手を繋いだ時の感想は、もう死んでもいいという思いだったと言っておこう。 だが今から考えれば、手を繋ぐぐらいで死んでいたら、その先に進む頃には幽体化でのセックスになる。 順調に進んでいた私と宗太のお付き合い。 だが、最後の最後で拗らせた。 何で前の日に、あんな物を食べたのか・・・。 10年前の今日、私は人生の終わりを見た。
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