鎮守府 屋上

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俺はとある艦娘をここに呼び出した。 ……どうも別人だと思えなくて、もし別人ならそれは構わない。だが、確証が欲しいんだ。 「提督、呼び出しに応じ馳せ参じた」 提督「ありがとう、急な呼び出しに答えてくれて」 長門「いや、私も暇をしていたのでな。それで、用事は?」 提督「お前は運命を信じるか?」 長門「……どういうことだ?」 提督「俺の指にはめてある指輪なんだが、この指輪はとある上官と結婚の約束をした時に貰ったものでな。 お前がその上官に瓜二つなんだ、駆逐艦を追いかけ回すこと以外はな」 長門「……指輪を私に渡せるか?」 俺は長門に指輪を渡した。 すると、長門は全力でその指輪を海に投げ捨てたのである。 提督「ちょっ!?おまっ!!」 長門「これでいい、その上官も恐らく海に沈んだんだろう。 ならその指輪も沈めてやるともしかしたら沈んだ上官に届くかもしれないだろう?」 提督「そんな無茶な理論あるわけないだろ!?」 長門「実はな、艦娘に前世がある場合というのは1度人間として生きてるときに沈んだ、それか艦娘として生きてるときに轟沈した、のどちらかが当てはまるんだ。 そして、私がもしお前と結婚の約束をした上官だった場合何かを思い出すかと思ってな。 そしてもう1つ、思いというのは行動しないと伝わらないぞ。過去に縛られるのも良いが、その指輪を捨ててみたときになにか分かるかもしれない」 提督「慰めをどうも……さーて、俺は提督室に帰りますかね。 あ、後駆逐艦追いかけ回すの程々にな。まあここに来て2日目の提督が言っても効果は薄いだろうがな」 俺は長門を残し、部屋に帰る。 長門「……悪く思うな、刹那。貴様の読みは当たってる、だが立場が違う。 ……いずれ艦娘でも、人間でも関係の無い世界が出来たときもう一度指輪を渡そう」
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