提督と龍驤

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龍驤「それで、やな。用件はなんなんや?」 提督「あぁ、龍驤さんなら知ってるかと思いましてね、この海域に存在する都市伝説を」 龍驤「キミ、それを知ってどうするつもりや」 提督「なにもしませんよ、ただ、万が一のために対処法などを考えるだけです」 龍驤「…まあエェ、話たるわ。 ……まず、ウチの鎮守府に球磨型5番艦、木曾だけが永久欠番になっとることは知っとるか?」 提督「はい、今日の朝俺が座ってる机の引き出しの日記に書かれていました。 木曾を語るべからず と」 龍驤「ま、語ったとこで死ぬわけやないからエェねんけど万が一提督がド阿呆ならこの事を語ったら艦娘突撃させかねんからな。 だからウチの鎮守府の古株のしきたりみたいなもんや。 まあ、昔は艦娘ってのは兵器としか考えられてなくてな。徴兵制+改造人間みたいなもんやったんよ。 ……木曾はキミから見て3代前の提督の嫁でな、それはそれは大切にされとった。 ……でもな、当時艦娘が少なかったのもあったけど木曾は危険視されてたんや、人間に歯向かうんじゃないかってな。 それで、無実の罪で投獄されてたらしいわ。 ほんで、たまたま木曾が投獄されてた牢獄の近くで深海のやつらとの戦いが起こってな、木曾は自分の身ィ守るために戦ったんや。 でもお上から見たら脱走や脱獄と変わらん、それで銃殺刑に処されそうになったんや。 …で、木曾は必死に弁解したんやけど言い分も通じず虚しく殺されかけた。 そん時に木曾の旦那、まあ提督やな。は別の場所で衰弱死しててな、木曾の銃殺刑を止められへんかったんや。 それで全てに裏切られたと思った木曾は死ぬ間際に覚醒、改二になって人間を殲滅した。 ウチは実はそんときの木曾の銃殺刑を間近で見てたんやけど、木曾が覚醒してウチを殺そうとしたから応戦したんや。 でも木曾もそれなりの傷を負ってたから深追いはしてこんかった、ただ、悲しそうな目で言ってたな 俺は誰も信じない ってな…。 ウチは木曾と同じ鎮守府に居ったのに木曾の暴走を止めてやることが出来んかった、未だにそれを悔いてる。鳳翔も同じ気持ちやけどな。 それで、この海域の近くには木曾が出没するようになったんや。 まあ、普段は海の底だったり到底到達できひん場所におるらしいけどな。 で、これ話すと興味本位で行く阿呆が居るから 木曾を語るべからずな訳や、分かったか?」
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