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南半球のとある都市。控えめな太陽の光を浴びて輝くこの都市は、今、冬である。といっても雪が降るような気温でもなく、短日期といったほうがいいかもしれない。昔で言う春のような感じで、一番過ごしやすい季節である。
「おっ、また会ったな。だが、先に行った割にはまだこんな場所にいるんだな。どうしたんだ?」
「すまンが、油をさしてくれなイか。どうも関節がうマく動かないんダ……」
「そら見たことか。うわっ、これはひどい。関節のところが錆びていて塗装もはげかけているし、なんだか話し方も変だぞ。内側までやられてるんじゃないのか? だからデータを同期する前には自己メンテナンスをしろと口ずっばく言われてただろ。リペアショップには連れて行ってやるが、手遅れかもしれんぞ」
「アあ、本体を交換するトなると、今期のボーなスがオしゃかだ……」
「いや、この分だと向こうのボディも危ないんじゃないか?来期の分も覚悟しておいたほうがいいかもしれないな……。まったく、ニンゲンを馬鹿にできたもんじゃないぞ……」
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