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「だから言ったじゃない」
呆れ顔。
仕方がない。路肩に車を止め立ち小便。
恵ちゃんはため息をついて、反対側の窓から外を見つめる。
「さて、着きましたよ」
有田先生が車を止める。
おじさんが丁度ハウスから出てくるところ。
「佐藤さん、お久し振りです」
「やあ、有田先生。本当、久しぶりだねえ」
「あれ、先生、おじさんと知り合いだったんですか」
「僕が大学に助手で入って間もない頃、挨拶にだけ来たことがあるんだ」
佐藤宗男、還暦を迎える今年60歳。身長は180cm近く、大柄でしっかりとした体型。僕は体型はともかく、身長は少しおじさんの遺伝が欲しかった。
「正、そしてお友達もご苦労様」
「こんにちは」
皆で声を合わせて挨拶する。
「皆さん、まずはお茶でも飲みますか?」
恵ちゃんが大樹を見つめてからかう。
「お茶でも飲みますか?」
みんなで爆笑する。
ーーーーー
「そうかい。オレンジ色の秘密かい」
おじさんが話し始める。
「俺のパチンコ育種では、なかなか爽やかなオレンジ色が出ないんだ。いや、出たことがない。薄い、くすんだようなオレンジ色はよく出てくる。でもその花には、赤い縞の模様みたいのが必ずと言っていいほどついてくるんだ」
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