第1章

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「ここにある花、摘んでもいいんですか?」 「いいよ。交配時期はそろそろ終わるから、今咲いているものの、花だけもいで」 「交配済みのラベルの付いている茎を折ったりしちゃダメだよ」 「はい」 恵ちゃんは嬉しそうに花を摘みにかかる。もちろん黄色花とオレンジ花だけ。 「あの、花の萼(がく)に素材番号を書きたいので、マジックを貸してもらえます?」 「いいよ」 「恵ちゃん。自分の顔には素材番号書かなくていいからね」 「あら、大樹くん。私の素材情報知りたくないの?」 「知りたい! 知りたい!」 皆で笑顔。僕ももっと深く知りたい、大好きな恵ちゃんの素材情報。
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