第4章

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「ホルンは曲の途中、in Aの調の指示があると、譜面のドの音をホルンのミで吹かなければならない」 「よくわからないのですが」 こずえちゃんが、首をかしげる。 素直な地の出た時のこずえちゃんは、確かに可愛い。 「例をたくさん挙げたほうがいいね」 「モーツアルで多い、in Dの場合は、譜面に記譜されているドはホルンのラ、ピアノやバイオリンでは実音のレの音だね」 「ベートーベンなどで多いin Cは、ホルンのソ、ピアノやバイオリンの実音のド」 「in Hになると、記譜されているドはホルンのファ#、ピアノやバイオリンの実音シの音」 「ややこしいですね」 「うん」 「ブラームスの大学祝典序曲は、1st、2ndホルンがin C、3rd、4thホルンがin Eだよ」 「でも、これは楽。この一曲ずっと調が変わらないから」 「ブラームスの1番は、1st、2ndホルンがin C、in E、in Es、3rd、4thホルンがin Es、in H basso、in E、in Fと、楽章や、楽章の途中でも調が変わる」 「頭使いますね」 「うん。調は、CDEFGAH、そしてその半音下のAs、Esなど全部あり」 「通常はト音記号、さらに低音の時はヘ音記号もついてくる。ハ音記号は、一度だけ見たことある。何かのアンサンブルのときだったかな?」     
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