第4章

168/191
前へ
/691ページ
次へ
「おたーるのひかーり、蝦夷のゆーきー」 「こずえちゃん。何でもダジャレにしちゃダメだよ」 「はーい」 「小樽は僕の母の故郷なんだ」 「へえー。そうだったんですか」 「2-3度行ったことがある。運河だけじゃない。オシャレで住みやすそうな街だよね」 「はい。北海道にしては雪が少ないし、大都市札幌もすぐ近く。海も綺麗ですし、食べ物も美味しいです」 「うん。坂の街で美術館やオルゴール堂あり。ノスタルジックに包まれた素敵な街だよね」 「そうそう、函館、札幌と並んで、北海道三大夜景のひとつ。天狗山からの夜景もいいよね」 「正先輩。貧乏な割にあちらこちら知ってますね。天狗にならないでくださいよ」 「こずえちゃん。貧乏、だけはいつも余計だよ」 「誰なの? 貧乏人を三日間も日光へ連れ出したの。伊豆にも行ったでしょ?」 「はいはい」 「でも、昨日の日光は経費でタダだったんですよね?」 「正先輩の行く会社、よいしょある会社ですから」 「はいはい。由緒ある会社です」 「さて、トイレ休憩しようか」 「このサービスエリアはウサギの国があるらしいです。楽しみです!」 「ウサギの餌を買ってきました」 「ほら! みんな飢えてます」 「あのさ、僕たちも飢えてるんだけど……」     
/691ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加