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「おい正。本当にこずえちゃんで用を足しているのか?」
「隆よ。聞いてるだろ? 義雄からとか」
「今僕は仲の良い女の子と一緒なの」
「ああ、まあね」
「でも、こずえちゃんと伊豆でキスしたとか、牛丼と一緒にアパートにおもち帰りしたとかの方が、オケでは噂になってるぞ」
「はぁ……、全く……」
「美味しい美味しい! 全部美味しい。幸せです」
「チャーハンも、思いっきり食べちゃいます」
「無礼講ですみません」
僕は昨日食べたから知っているが、確かにここより美味しい中華料理店を探すのは難しいかもしれない。
「セットについてる杏仁豆腐ください!」
僕と隆は、女の子三人に杏仁豆腐を振る舞う。
「えーっ! 甘さ、柔らかさ、杏仁の加減が絶妙。優しい味」
「正よ、このお店、本当に美味しいな」
「今度、俺、里菜ちゃん連れてこようかな。最近グルメなデートしてないし」
「大樹さんからLINEが入っています」
「料理を見て美味しそうだと。また、日光に来る計画を立てるそうです」
「もしかして……、大樹に送った? LINE」
「はいっ!」
まあ、予想はしていた。でももう大丈夫。
さすがの彼らも今回だけは動けまい。
「来週の水曜あたり、都合がいいらしいです」
「まじ? 勘弁してよ……」
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