第4章

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「まあいい。僕がいる必要がない」 僕は居直る。 「ランチと、東照宮、日光植物園だけらしいです」 「却下、却下。後で僕から連絡しておく」 「里菜ちゃんも、来週水曜なら大丈夫そうだ」 「あのさ……、隆も」 「まあいい。繰り返すけど、僕がいる必要がない」 「正先輩は必要です。オケのLINEも炎上しました」 「美味しい中華に、日光観光、初夏の爽やかな植物園散策」 「皆、食いつくわけです」 「そこで誰が植物園案内できます?」 「……」 「この件は私にかませてください」 「任せてください、じゃないの?」 「心配は無料です」 「ツアーガイドの正先輩分の旅費、食費はかかりません。皆で割り勘で出します」 「僕、そんなことされたくないよ」 「そこまで貧乏じゃない」 「ボロは着てても、心はナイキ、ですね」
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