第4章

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第107話 「さすがパワースポットです」 「東照宮、すごいです」 「さて、家康公のご利益を授かりましょう」 こずえちゃんは目が爛々としている。 「陽明門、すごいですね」 皆んなでじっくり見回す。僕も。 3度目だけど素晴らしい。筆舌に尽くしがたい素晴らしさ。 「次に神厩舎です。16匹の猿がいます」 「人間の一生が風刺された作品で、作者は不明なのだそうです」 こずえちゃんは色々調べてきている。 「1面は、母猿が手をかざして子猿の将来を見ています」 「2面目は有名な三猿。3匹の猿がそれぞれ耳、口、目をふさいでいます。見ざる言わざる聞かざるです」 「3面、座っている猿の姿。一人立ち直前の姿を表しています」 「4面、猿は大きな志を抱いて天を仰ぐ。青い雲が“青雲の志”を暗示しているようです」 「5面目。猿の“人生”には崖っぷちに立つときも、迷い悩む仲間を励ます友がいます」 「6面、物思いにふけっている姿。恋などに悩んでいる姿」 「7面目、結婚した2匹の猿。大きな荒波の彫刻は、これから夫婦で乗り越えてほしいという願いがあります」 「8面、お腹の大きな猿。やがて母親になって1面へと戻ります」     
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