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第110話
「正せんぱーい。この会えない時間が、愛育てました」
隆、こずえちゃんたちが華厳の滝の観光を終え、喫茶店に迎えに来てくれた。
予想通り、こずえちゃんは忍者、そして貧乳の文字のプリントされたTシャツも買って来た。
もちろん。着てはいない。
「正先輩。私、貧乳ですが美乳なんです」
「うふっ」
こずえちゃんが色気ある目をしようとする。幼くて可愛い。
「興味あります?」
「だ・か・ら、僕は恵ちゃんしか見えないの。ごめんね」
「いや、恵先輩の貧乳と私の貧乳は訳が違います。同じ貧乳関係だけど」
「それを言うなら、親友関係でしょ」
「しかも、恵ちゃんは貧乳とは違うよ、こずえちゃんだって……」
「あらっ! 正先輩エッチですね、まっ昼間から」
「二人の女の子の胸比べです」
こずえちゃんは、フフフと微笑む。
「肝心の論文チェック終わりましたか?」
「だいたいね」
「午後の打ち合わせに遅れることを前提に、チェックした論文を皆んなに送っておいた」
「正先輩って、普通にすごいんですね」
「何が?」
「いわゆる、ただ勉強ができると言う上をいっています」
「創想力があるとでも言うのでしょうか、なんか普通に勉強できると言うのとは違ってます」
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