第4章

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「俺もそう思うよ。正の脳の回転の仕方はただもんじゃないって」 「勉強ができるとか暗記力がいいとかじゃないんだ」 「こずえちゃんの言う、創想、色々な情報をひっくるめてそれを瞬時にまとめる。そしてそれをわかりやすく表現する」 隆も頷く。 「さて、これからワールドスクエアだっけ?」 「時間があるから、日光江戸村にも寄ろうと言うことになったんだ」 「時間がある? 江戸村?」 「あのさ、僕、論文打ち合わせがあるんだよ」 「時間なんてない」 「そこは私が手を打っておきました」 「大樹先輩に、6時帰宅なんて到底無理。温泉込み、確実に夜8時は過ぎますと」 「おいおい! それは困るよ」 「教授も快諾したそうです」 「えっ? 教授が?」 「それは何かの間違いじゃ……」 「先輩の送ったファイルを見て、とても感心していたようです」 「ゆっくり遊んでこい、とのことらしいです」 「こずえちゃん。それが怖いんだよ」 「教授は機嫌がいい時には、ものすごく機嫌がいいんだ。だけど、ムラがあってすぐ不機嫌にもなる」 「そして、大樹や義雄が餌食になる」 「いいじゃないですか。いずれにせよ正先輩と恵先輩は無事なんですから」 「そう言う話じゃなくて……」     
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