第4章

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第111話 「あれ? 今市インターで降りないと、江戸村やワールドスクエアに行けないんだと思うよ」 車は日光宇都宮道路をそのまま東北道方面へと向かう。 隆はニヤリと微笑む。 「大学に帰るんです」 こずえちゃんが微笑む。 「えっ?」 「お土産に、湯葉カツ、ニラ団子、杏仁豆腐も買ってきました」 「論文打ち合わせの時、皆んなで分けて食べてください」 紀香ちゃんも夕子ちゃんも、皆んな笑顔だ。 「ありがとう!」 「多分、6時前には余裕で帰れるよ。もしかして5時頃に着くかも」 隆が言う。 「皆んな、本当にこのまま帰っちゃっていいの?」 「正先輩の大事な大事な論文をおろそかにしてはいけません」 こずえちゃんが真剣な顔をする。 「断腸の思いですが、来週出直して来るので大丈夫です」 「あたーっ。それがあったか」 「はい。あります」 「今夜の正先輩は恵先輩のものですが、来週は分かりません」 「Que sera, sera. Whatever will be, will be. The future's not ours to see」 「ケ・セラ・セラ。明日のことなど分からない、です」 「さて、大学まで一走り、BGM何にしましょう?」     
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