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僕は顔を恵ちゃんの濡れた髪に埋めた。
香水とシャンプーの入り混じった空気だけの呼吸。
沈黙の時。
そして、耐えられない……。
僕はジーンズのチャックを開けた。
恵ちゃんは、手で愛撫してくれた。
さざなみの音が、遠のいて聞こえる……。
「恵ちゃん。いいかな?」
僕は耳元で囁いた。
「何?」
「うん……、あの、出したくて……」
「正先輩。何ぼーっとしてるんですか」
「BGM何にしましょう?」
「永遠、と言う言葉がある曲がいいな」
「永遠……、意外にクラシック音楽の中ではその表題、すぐに思い浮かびませんね」
「あって良さげなのに……」
こずえちゃんは眉をしかめる。
「マーラーの大地の歌。第6楽章の告別の最後は、永遠に、永遠に、を繰り返すよ」
「それにしましょう!」
「大地の歌の歌詞は李白らによる唐詩に基づいているんだ」
「この曲から聴き取れる東洋的な無常観、厭世観、別離の気分が何とも言えない」
隆が簡単に曲の解説をする。
「じゃあ、入れるね。大地の歌」
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