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「こずえちゃんからLINEがあったけど、正たちの行った中華料理屋の料理、本当に美味しそうだな」
「このお土産の味で、よーくわかる」
「行きたいわね、またいつか」
恵ちゃんは食通。そして、自分でその味を真似て料理を作るのが趣味の一つ。
「まあまあ、論文の最終チェックの準備しよう。6時開始だよね」
「うん。教授も正がいて安心すると思うよ」
「準備はできたか」
教授が有田先生と共に、珍しく穏やかに研究室に入ってきた。
「はいっ!」
皆で軍隊のように声を合わせる。
「それじゃあ、黄色花の論文の方から読み合わせを進める」
「質疑があれば、その場その場でするように」
Abstract、Material and Method、Result、そしてIntroduction、Discussionの順に皆で黙読し、論文のチェックを進める。
「やはり、正の言う通り、黄色花の濃淡の単語は、明るさの度合いをイメージさせるtoneではなくて濃度を意味するdensityの方がいいな」
教授が皆に提案する。
教授には逆らえるわけがない。異議なし。皆で賛同。
「よく出来ている」
珍しく、教授から褒め言葉が出る。
黄色花の論文チェックを終え、少し休憩。
時計も7時を少し回ったところ。
「教授。日光の湯葉カツとニラ団子があるのですがいかがですか?」
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