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隆が知恵入れしてくれたところだ。
「黄色色素と、赤色のペラルゴニジン3マリルグルコシドの組み合わせだけではなく、黄色色素と、紫色素シアニジン3、5ジグルコシド、鮮ピンク色素のペラルゴニジン3、5ジグルコシド、暗赤色素シアニジン3マリルグルコシドと共存する花色の存在も示唆される」
「日本語訳で、この部分を抜いたらどうかと思いまして……」
「ここは、正、お前が追記したところだぞ」
「はい。でも、黄色色素と、赤色のペラルゴニジン3マリルグルコシドの共存でオレンジ色を説明したNoteで、残りの三つのオレンジ色? の存在まで、あえて触れなくて良いし、もしかすると遺伝子の発現機構で、残りの三つの中間色は存在しないかもしれません」
「皆んな、どう思う?」
沈黙が訪れる。
「わかった。ここは削ろう」
教授がチェックを入れる。
時計の針は8時を回った。
「さて、論文の最終打ち合わせを終わろう。皆んな良く頑張った」
「後は7月末締め切りの、秋の学会のプレゼン作りだな」
「構成は、以前話した通り3報に分ける」
「共通の表題は、カーネーションの花色に関する基礎的研究」
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