第5章

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「論文の打ち上げ会には、隆さんやみどりちゃん、そうそう、歩ちゃんも呼ばなきゃね」 「うん。遺伝子関係、サンプル採取、とてもお世話になったからね」 「こずえちゃんは呼ばないの?」 「こずえちゃんは呼ばないよ。関係部外者だよ」 「でも、正くんの誕生日。何が起きるかわからないわよ」 二人して微笑む。 こずえちゃんは素直でさっぱりしてて人に嫌がられる娘じゃない。その場にいても違和感はない。 「呼ぼうか?」 「まあ、幹事の義雄くんに任せましょう」 「さて、デザートはティラミスね」 「正くんは?」 「うん?」 「そうね、聞くまでもないね」 恵ちゃんが笑顔で自分を指差す。
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