第5章

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第115話 「正くん、お昼何にする?」 「生協のA定はカキフライ、タルタルソースかけ。B定はポークチャップ」 大樹が調べる。 「あら、どちらも美味しそうね」 「僕は新港のカレーでいいよ。150円」 「最近、お金使い過ぎだから」 「また、正得意のアルバイトでも再開すればいいのに」 大樹が言う。 「人を散々動かせておいてそれは無いだろ」 「卒論があるし、無理」 「四年になってスッパリ全てやめたんだ。バイトは」 「正、バイトの神様だったからな」 「塾講師、家庭教師3件を軸に、単発のバイト。みんな感心してたよ」 「まあ、お昼ご飯にしよう」 「私は今日カレーという気分じゃ無いから、生協に行くわ」 「俺も」 恵ちゃんと大樹は生協で決まり。 「仕方ない……」 僕も生協行きに妥協した。 義雄は工学部。きっと、みどりちゃんたちと昼食。 「そう、アルバイトってどんなことしてたの?」 恵ちゃんが僕に質問する。 「交通量調査、パン工場の夜勤、土方などなど」 「高校野球の駅前得点板点数付けだとか、能楽の舞台の材料運びとかは?」 大樹が聞く。 「それは、地元テレビ局にコネがあって連絡が来て行ったりした」 「お金も良かったろ」     
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