第5章

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大樹の沈黙。 恵ちゃんは、自分で言った言葉に少し恥ずかしがる。 僕は話を切り替える。 「そう、交通量調査はね、バイトに来る常連の人同士の友情が芽生えるんだ」 「売れないカメラマン。お笑い芸人を目指す人。職をなくした中年の家族持ちの人」 「バイトには、来る人来る人、それぞれの様々なドラマがある」 「なんだか、正くんの性格形成の秘密が少しわかった感じがする」 大樹も頷く。 「正くんの未来。頼もしそう」 恵ちゃんは、美味しそうにカキフライを頬張る。
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