第5章

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「ラン温室にも失礼させていただいて」 「おいおい、温室は部外者立ち入り禁止だよ」 「そうだったんですか……」 「まあ、良しとしましょう」 「本当の目的は何?」 「遊び呆けて、あたふたしてる正先輩にエールを送りに来ました」 こずえちゃんは、半袖のカーディガンのボタンを外し、貧乳と文字が書かれたTシャツを見せる。 「あのさ、それでさ、オケの部室に絶対行かないでね」 「あら? もう行って来ました」 「SとM、そしてエロサイズもありますというと、そこにいた、トロンボーン、トランペットの先輩が練習できない状況に陥りました」 「だからさあ……、言ったこっちゃない」 「楽器、吹けなくなるんだよ。こずえちゃん。それ見て聞いて」 「息を使う楽器は」 プッと笑い出したが最後、なかなか平常心に戻れない。 「確かに。皆、私の新入り挨拶の時の、横綱の四股入り自己紹介の時に近い感触がありました」 「まあ、それはいいとして、これからどうするの?」 「4コマ目が必須科目ですから、戻ってお勉強です」 良かった。こずえちゃん、顔を出しただけ。 「正先輩。今日はオケの血液型別コンパがあるのですが参加します?」 「いや。今日はパス。四六時中やっているじゃない」     
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