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『私たち、先輩と交配の関係です』
『折箱に、しやすい私を包んでお持ち帰りしてもらいます』
「大嘘」
僕は呆れて呟く。
「あら、こんな風に書かれてたんだ」
「これは皆、面白がるねっ」
恵ちゃんはニッコニコ顔。
「何もしなくてもこずえちゃんの存在自体がギャグなんだ」
「なのにあの話し言葉、書き言葉にも大きな嘘とギャグがある」
「たぐいまれなる大物ね」
「何で僕のこと、好いてくれるんだろう?」
「恵ちゃん。今、僕のどこが好き?」
「えっ、いきなり?」
「うん。何でもいい」
「私が3年間見て来た正くんは、真面目で素直。どちらかというと、笑顔はあまり見なかった。ポーカーフェイスだったよね」
「あまりお笑いで押すタイプじゃない」
「そこが、チャラ男系と違ってる」
「落ち着いた心、正しい素行。それがイイ」
「そうでしょ?」
「でも、最近僕は変化したよ。よく笑うようになったんだ」
「もちろん、自然な笑顔は恵ちゃんのおかげ」
「好きだよ」
恵ちゃんは、クスッと笑ってくれる。
「そしてたぐいまれなる大物の登場」
「あの子、下手な芸人より全然面白い。存在もキャラも」
「胸がつかえるところの奥底から、無意識な笑いが沸き起こる」
「腺毛が震えるように」
「そして、時に止まらない」
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