第5章

29/96
前へ
/691ページ
次へ
「ああ、偶然も偶然」 「B型コンパはこずえちゃんが店決めたから、正とやっぱり波長が合うんだろ」 「何をおっしゃるうさぎさん」 「偶然の恐ろしさに驚くだけだよ」 こずえちゃんが飛んでくる。 「最初のパーティー会場予定は生協でした。でも8時で閉まるので盛況じゃない、と烙印を押しました」 「それで、ザ・夏鍋、イタリアンちゃんこを準備してくれるジャルダンにしました」 「イタリアンちゃんこ?」 「はい。地鶏にトマトソースがしっかり絡み、ネギ、お野菜、お餅もフワフワ」 「夏鍋で、このジメジメした梅雨時期を吹き飛ばします」 「いや、このジメジメ感は十分残ると思うんだけど……」 「そしてシャケの混ぜご飯」 「シャケはこの夏場にはマイナーじゃない?」 「そこで下打ち合わせにて話しました」 『今が牡蠣入れ時ですね』 『こずえちゃん。牡蠣は冬だよ』 『値段もありますよね。この鮭の切り身、イクラになりますか?』 『イクラは無理だよ。ハハハ』 「コック長に大受けして、そこでなんとかしてくれることとなりました」 「あと、ジャルダンのコック長の弱みを、私握ってしまったんです」 「何それ?」 「コック長、我が教育学部の某美女4年生と不倫しているんです」     
/691ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加