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「そんなの奥さんにすぐバレるじゃない。奥さんといつも一緒に厨房にいるんだもの」
「それが、見て見ぬ不倫なんです」
「ちょっと待った。頭を整頓させて」
「見て見ぬ振り。見て見ぬ不倫……」
まあ、いいか。一緒だ。
「まあ、僕たちの園芸学研究室はビール会。教授、助手も交えて」
「お気楽に行くよ。教授のいる時間は大樹と義雄にはプレッシャーになるけど」
「サンドウイッチに、地鶏の唐揚げ、アソートチーズ、サラミ、スモークサーモン、ポテトフライなどなど、お子ちゃまオードブルフルコース」
「ザ・夏鍋! なんて考えもつかなかったよ」
「まあ、同じ穴の狢。正先輩もオケの方にもいらしてください」
「あのさ、どうせ全部の血液型コンパ、二次会で、扇谷に合流するんでしょ」
「当たり前です」
「扇谷の、つみれを突かずして結構ということなかれ」
「なんか、どこかで聞いたセリフだね」
「僕は帰るからね」
「えーえー」
「恵先輩とですか?」
「うん」
「えっ! えー」
こずえちゃんは、がっかりと悔し顔。
「そうそう、私におとぼけものの不在通知が届いてました」
「どこに?」
「扇谷さんに行った後に、正先輩だけにお見せします」
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