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「なぁ、アンタのいう憑物って実際なんなの?」
「ん?そうだな……。簡潔にいえば妖怪や幽霊、と呼ばれる類の事かな。人以外の力による害のことさ。」
「ふーん……じゃあ都市伝説とかも憑物?テケテケとか、口裂け女とか。 」
「明確な事は理解されてないんだけど、そうだね。憑物って言えると思うよ。なんてったって人間にとって害なんだからね、被害を被れば憑物判定に引っかかるだろう。」
「つまりは、人間にとって都合が悪いと全部憑物って事になんだな。 」
「ははは!手厳しい。まぁその通りなのだがね。都合が悪くない憑物の方が少ない。」
「少ないって事は害じゃないのも居るんだ。どんなのいるの?」
「興味を持つことは大変いい事だ。好奇心は猫を殺すと言うが私は皆ぜひ色んなことに興味を持って突っ込んで行って欲しいね。……と、話が逸れた。いや何、完全に害では無いモノはいないよ。ある側面はある人にとって無害だが、別の人にとっては害になる事もある。君も心当たりはあるんじゃないか?」
「……まぁ、無くはないけど。 」
「そんな君に憑物に接する心得を二つ、教えてあげようか。いいかい?よくお聞き。 」
「……」
「───一つ、人間にとってそれは害である。二つ、憑物は常に傍に居て、常に私達を見ているという事さ。」
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