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古びた日当りの悪いアパート、築四十年くらいになるそうだが、中でも日当りの悪い二階の203号室、ここで圭司は大学に入ってから親元を離れて一人暮らしをしている。仕送りをしてくれる親に迷惑をかけないように、なるべく安いアパートを探した結果、この部屋に落ち着いたわけだが、少し色のくすんだ壁紙といい、窓の方は少し歪んでいるようで開け閉めする際には多少のコツがいる。窓を開けると、目の前には私鉄の線路があり、朝夕の通勤ラッシュの時間帯にはひっきりなしに電車が忙しそうに走っており、その騒音はかなりのものである。しかし、バス、トイレも一応着いており、駅からもそれ程遠くもなく、圭司は概ねこの部屋に満足していた。
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